観光スポットの秘密情報
眷属神は猿。日吉大社(記事未作成)の影響でしょうか。
奥が「御上山」、手前が「菩提寺山」。
その発想はなかった! 新しい観光スポット
土曜日。
他県の観光スポットまで
ドライブした。
「りこちゃん、行きたいとこある?」
金曜の夜、クマオが何度も訊いて
くれる。
「クマオさん、疲れてるでしょ。
長時間のドライブ大丈夫かな」
「大丈夫に決まってるやん」
クマオが笑顔で言う。
「うわぁい!
楽しみやなぁ」
久々にクマオとのデートらしい
デートだ。
何着て行こうかな。
新しいニットとスカートは
この際やめて、スニーカー
スタイルにしよう。
そんなことを考えるのも
楽しい。
思えば、この10年間、
私はいつだってそうだったなと
思い返す。
クマオと過ごす時間のためなら
私は何だってしたいし、
何にだってなれると錯覚してきた。
決して手を抜かなかったのだ。
いつだったか、
一人ぼっちで見上げた青空が
あった。
快晴だったその週末の二日間。
クマオの車が戻ることはなかった。
鳥になりたい。
鳥になって、クマオと女を
見つけ出して、クマオだけを
ピックアップできたらどんなに
いいだろう。
心からそんなことを思い
願ったあの時。
朝も昼も夜も一人で過ごす。
誰とも会話せずに週末を終えた
あの時。
渋滞に巻き込まれた車中、
私は青空を見ながら、
そんなことを思い出していた。
「りこちゃん、何考えてんの?」
クマオの優しい声で我にかえる。
その瞬間、クマオの優しい笑顔に
包まれる。
「クマオさん、
鳥になりたいと思ったこと
ある?」
「ないな」
即答するクマオの様子が
おかしくて笑った。
ふと立ち寄ったギャラリー。
ちょうど若い陶芸家さんの個展が
開催されていた。
あれこれ迷って、スクエア型の
中皿を一枚。
旅の記念にと、
クマオが買ってくれた。
さっそく盛り付けたのは牛カツ。
頂き物の赤みの上等のお肉は、
焼いて食べるよりもレアカツに
した方が美味しかった。